天翔る奇跡たち
なんとなく間抜けだけれど、言葉に嘘が無いなら、むしろ歓迎できる。
彼女の適正云々じゃなく、真剣に向き合って、信頼できるかどうか、が問題だった。
彼女がさっき提供するのは「邪魔にならない、足を引っ張らない、便宜をはかる」とい
うものだった。
なんてこちらに都合のよい話。
逆にどうしてそこまでして仲間になりたいなんて言うのか、ちょっと気にかかる。
誰かに追われていて、一時身を隠したい、とか……実はどこかの国のとらわれのお姫様で、て!
ぶんぶんぶん、とあたしは頭を振った。
ガナッシュが大丈夫か、という目でこちらを見ている。
なにかなあ、ファンタジーの見過ぎだっての、丸わかりなあたしの思考。
だめだ、疲れている……。
見た目はまるきり子どもなんだけどなあ。
でも、泣き出したり甘えたり、なんてのはドロップス一人で十分だ。