天翔る奇跡たち


 ぐりん、とダイノダイアさんが大きく頭を巡らせた。そこに……

「ジェイド! ……とそのナカマ達」

 こけ、と一瞬崖から脚を滑らせそうになる「ナカマ達」。ああ、こういう発想センスの持ち主なら、あたし達も「グリフとそのナカマ達」てな具合に……なってるな、こりゃあ。

 あたしはちょっぴり、苦笑い。

「アメティスタよ! 悪い?」

 紫のゴーグルが光っている。甲高い少女の声だ。

「ディアマンであるであーる!」

 全身真っ白に輝いてる。これははっきりオジサン体型。いい年して、その挨拶は無いんじゃないかな。

「おれはクラーニオだ! おれの頭突きだけは、食らうと流血だぜ。前歯折れるぜ」
深紅の骸骨模様のペイントがこれまた闇の中で光る。 

 ジェイドだけが黙っていた。まあ、言わなくてもわかる。暗くて他は何も見えなかったけど。真翠だったから。ていうか……



ただごとでない雰囲気。姫竜さんとの間に火花を散らしている。





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