天翔る奇跡たち


「やっっばい。きっと儀式なんちゃらの様子、見に来てたんだ」

「だから言ったろ、さっさと退散だよアップル」

「えーっ」

一体、いつの間に用意したんだか、あたしの分まで……手渡してくれる荷物は何故かずっしり重い。あたしは思わずがに股になってしまいながらその重みに耐えた。えーとえーと、これは……?

「この中、何入ってるの?」

「アクア石。この辺多いんだよ。地下水も豊富だし、フツーに人の山から採って来るとしょっ引かれるからね」

「た、助かるわねー……こんなところに来てまで……グリフ、あなたってひとは。こんなにつめこんじゃって……あたし、女の子よ?」

「ん? ちょっと多すぎた? 飯代にはなると思ったんだけど」

 サイコー! グリフ、あなたってサイコーよ!



「あたし、頑張る」




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