天翔る奇跡たち
そ、それは……あたし自身、グリフをがっかりさせたくなかったからで、責任感だなんて、そんな、そんなこと無いよ。
心の中では
「重いよー、死んだ方がましだよーっ」
て弱音吐きまくってたんだから。
でもね、これだけは確か。
あたし、グリフのためなら何だってする。
あたしは、他のどのオンナノコともおんなじ。
グリフを好きなただのオンナノコ……なんだ。
「ったく、どのオンナノコと比べてるんだってーの。おモテになる方のこういうところが鼻につきますな。アップルに失礼じゃねーの」
ガナッシュの一言に一瞬、胸の中がざわついたけれどすぐに忘れた。
「そんなこと、ないよ……」
と、言って。
あたしはグリフの傷を思った。
次にグリフを傷つけるのはあたしかも知れないんだ。