天翔る奇跡たち
「私は誰のドラゴンにもならない。まだ、あの方以外に角に金環をつけ、たてがみを結ぶ者はない。ドラゴンの絆はドラゴンが決める」
言ってることはわからないけれど、この子にとって大切な事らしい。
「ということだ。去れ。去らねばこの剣で……」
男達はグリフの眼光に圧されてたじろいだ。彼らはグリフの気迫にきっと勝てない。
「退(い)け!」
「うっ……うわああー」
男の後ろの茂みの方から、悲鳴を上げ、がさがさと騒がしく立ち枯れた樹木の枝葉を折り、散乱してゆく音がした。
「クソぅ、口ほどにもない奴らだ。全員、解雇してやる」
「その奴らに守られてノコノコここまで出向いたのは誰だ? ドラゴンをナメるな!」
言いながら、ディノーディアさんは火炎を吹いた。
逃げ遅れた男が黒こげになる。……あーあ。