天翔る奇跡たち
  

 ガナッシュも気づいたらしく、

「この一冊の最初のページ、ご生誕の記録が初めだったんじゃないのかよ?」

「んー、そのへんは実に曖昧なんだな。俺にも訳がわからない」

「あ、待って、まって。それじゃあ、ナンバーワンは……ご両親のこととか?」

「なれそめってワケですかい。ほうほう、それはそれは」

 あたしはうれしそうなガナッシュの頭をぐいっと押しのけ、マジカルクリップをくっつけたマグカップに向かってノーテンキにも言いつのった。

「だからね、グリフはこのバックナンバーを見に、いつでもお家に帰って良いんだよ。これって、そう言う意味だと思う」


 グリフは真剣に頷いて、マジカルクリップごしにマグカップの底に映っていた。


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