天翔る奇跡たち


「今から思うと、本気でそんなことを言い出しそうな雰囲気だった……だが、問題のナンバーワンはそちらの荷物の中にある」

 ぁ、開封済みだ。

「何が書かれていると思う」

 ガナッシュは無造作にページをめくった。

「わあ。『国の成り立ち』だあ」

「わかる者にはわかるようになっている」

「どーせオレには読めねえよ」

『新参者の心得ー多少のことには動じないこと。暴力をふるわれても命に別状なければよしとする。目上の命令には従うこと』

 はあ?

「なんだそれ?」

 ガナッシュは頭を傾げた。

「なあ、グリフ。おまえの嫁いだ王様てのはどうなんだ? 実際」

「嫁いだんじゃない。養子に入ったんだ。気持ちの悪いこというなよ」

「ほう、気持ちの悪い王様だったと」





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