天翔る奇跡たち


「ディノーディアさん、ごめんなさい! 危険な目に遭うから出てこられない方なのに。あ、私、とんでもなく失礼でっ」

「ただの人間にしては心得ておるではないか。実に堂に入っておる」

 は? あたし今、褒められた? いや、脈絡から言って、けなされている。あぁああー!

 ガナッシュの顔を見れば、眉間にふかーいタテジワを寄せている。まだ眠いんだろう。

「あの、先ほどのブレスは大変威力がおありになるようでございましたが」

 たらたらたら。嫌な汗が垂れてきた。もう、限界!

「そりゃ、ドラゴンだからの!」

「ご……ごもっとも」

 でもこんなに簡単にへいこらしちゃって、あたしのこういうところは果たして腰が低いと言えるのか……いや、卑屈、だな。我ながら実に。一方的に自分が悪い、となるとぽっきりと角が折れる。





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