天翔る奇跡たち
「あそこに見えてる方が巨大跳ね橋。通称、竜のとぐろ橋だな。間違いないか?」
「はわわー、初めて見るよこんな立派なお城」
あたしはこくこくうなずきながら、滅多にない光景に見とれた。
「ばっか、ありゃ門だ。その向こうに教会があってだなあ、そのまた向こうにあんのが神殿だ」
「むうー、馬鹿にすることないじゃない、ガナッシュ」
「だあほ! しっかり今来た道を記録するんだぜ」
「んもおー」
「おら、描けたか? 見せてみろ」
あたしが不承ぶしょう、マップを手渡すと、途端、強い風が下からあおるようにふいてきた。