天翔る奇跡たち
 

「なにそれ、ガナッシュがそんなこと言うなんて、熱でもあんのー?」

「っちがう! おまえが負担になりたくないっていつも言ってるから……」

「それって、自分に頼れっていってるの?」

「おめーは、オレの横にいろ! そして学ぶんだ。他に役立たたねーんだから!」

「ぐわ! プロポーズみたい」

 っかー! と赤くなるガナッシュ。

「おめーはなあ……あのグリフにプロポーズさせるほど、女を磨いてっか? 売れもしない小説書いてるだけじゃなく」

「……」

 あたしは黙って後方へ向かう。

「おわっ、なんだよ。バランス崩すだろーが……」

『おまえはオレの横にいろ』なんて、聞きようようによってはプロポーズに聞こえるかもしれないけれどあたしには毒だ。

 だって、溢れる才気が迸っちゃうんだもーん。うふ!





< 55 / 225 >

この作品をシェア

pagetop