天翔る奇跡たち


「そっか……あたし、ガナッシュって選択肢もあったんだ……」

 そうつぶやいてもガナッシュは無反応だった。なのに後からぼそぼそ言うのだ。

「オレは……コブ付きでもかまわないんだぜ?」

「ふぇ? それって、ドロップスのこと?」

「ふん、もういい!」

 言って、ガナッシュはごろんと横になった。ごろん、あたしはその上に頭を乗っけて横たわる。

「ぐほっ」

「あっごめん。わざとじゃないよ」 

 あたしは起きあがって謝った。

「肋骨の上に頭なんかごろごろされっと本気で痛いんだよ! 反省しろ、この限ナシ」

 あたしはガナッシュに頭をぐしゃぐしゃにされた。

「してるよ、充分……」
「じゃあ今度はオレが甘える番な」

(えっ?)



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