天翔る奇跡たち
「なにあれ、ちょっとお!」
「高貴な方の乗り物ではありやせんねえ……ときた。確か伝令、とかの種類だな」
たいしておもしろくもないという顔でガナッシュが言い、あたしたちもそのことはそれっきり、忘れてしまった。
で、である。なぜかあたし達は道に迷い、他にいくらでもある「吊り橋」に惑わされ、一体、「ドラゴンの絆」って幾つあるんだー?
何て思いながら、みごとに迷ってしまっていた。
崖の上も下も関係ない。低い吊り橋もあれば、高い崖の上にあるものもある。なんじゃこりゃ?
もうすぐ陽が暮れてしまうというのに。
そのまま、門までたどり着けなかったら、遭難だったわよ。
「や、見事に遭難したねえ」
や、グリフ。
他人事みたく、言わないでくれる?
一応、うちのリーダーなんだからさ。
ううん、グリフは悪くない。
だけど、もっと素直に進んでいれば……お腹すいたよお。