天翔る奇跡たち


 あたしは腰が抜けたように岩場にへたった。

「それより応えろよ。なあに二人でイチャこいてんだあ。ちったあ、ひとの心配でもしてたんだろうなあ?」

「うん……してた」

 息を付いてグリフ、にこにこしちゃって。あ、彼のあれって、別にオンナノコ仕様じゃなかったんだ。いやだ……もう長いこと一緒にいる気がするんだけど、彼のこういうところは知らなかったなあ。

 やたらとモテ過ぎるせいかも知れないけど。こういうひとだからモテるのかも知れず……ううん、鶏と卵、どちらが先か、って感じがする。華やいでるよ。うれしいんだろうなあ。あたしもうれしい。

 このタイミングはちょっとできすぎてる気がするけれど。本物だろうね?




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