天翔る奇跡たち


 一体なんなの? 不安ばかりが押し寄せてくる。ガナッシュって、こういう冗談はしないひとのはず。

「ついてくりゃ、わかる」

 信じるよ、仲間だもん。  

「うっわーい、がなっしゅー」 

 水辺で無邪気に遊んでたドロップスが、一声する。

「黙らせろ、危険だ」

 いつになく厳しい言い方に、あたしは身がすくむような思いがした。だって、だって、ならず者みたいにしゃべってるよ。

 ぽん、とあたしとガナッシュの肩を叩くのは……グリフ。

「ガナッシュ、言葉を選べ。アップルが怖がってる」

「ああ? どう言ったってなかみは同じだ」



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