天翔る奇跡たち

「女の子なんだぞ。おまえの部下でもない。対等の仲間だ。不快にさせて良いのか?」

 グリフがそう言ってくれて、あたしはほっとしてしまった。そうだそうだあ。グリフって良い事言うー。って、そんな状況じゃなかったんだけれどね。今となってはガナッシュが正しかったって思うよ。

「茶番は好かねえ。単刀直入に言う。オレたちは……」

「狙われている、だろ」

 グリフの先読みに、ガナッシュは眉間にタテ筋寄せてうなずいた。

「とんでもないもん、見ちったぜ」

「えっ、なあになあに? 危険なもの?」

「見ただけか? その手の物体はなんだ。見たところ卵の形状をしているが、まさか」

 あたしはドキドキしながら、次の言葉を待った。

「ああ、パクって来た。黄金竜の卵をな」



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