光で思い出を残す機械

撮る。

厨房で躍るアレン。


「アレ~ン」

「Oh? Hi Kanae!」


撮る。

バンダナのせいで
目元が見えないアレン。


「A ha? Photography?」

「うん。でもアレン
そろそろ日本語にして」

「あぁ、ごめんごめん」


撮る。

バンダナを
指で上げるアレン。
蒼色の片目が見える。


「ごめんね、お仕事中に」

「いや、どんどん
撮ってやってくれ。
映像と思い出に残る」


撮る。

また目元が見えなくなった
アレンの顔。

でも、笑った口元からは
歯が見える。

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