ワーホリ!メタルドラマーが国際結婚?
サマーと出会ってから2ヶ月経った
頃であろうか、仕事が終わるとミックが


「バレンタイン・デーだから
プレゼント買いに行くぞ!」と言った。


「こっちがプレゼント貰うんじゃないの?」


俺はどういうことだとミックに聞いてみると、
オーストラリアでは男からプレゼントを贈るらしく
チョコではなく花束とカードが相場らしい。


「てやんでー!チャキチャキの江戸っ子
がそんなことしてられっか!」


しかしもう一人の自分が


「いいねー行こう!行こう!レッツ・ゴー!」


いの一番に飛び出して行った。


「郷に入っては郷に従え」


と都合の良い言い訳を自分に言い聞かせ
メットを被りヘコンデルタに飛び乗った。

俺達はステーショナリーでカードに思い思いの
言葉を書き記しサマーたちの元へ急いだ。

まだサマーもミキも家にはいなかったので、
俺とミックはプレゼントとカードをキッチンの上の棚に隠した。

なぜかと言うとディーナーの時に
レストランで渡すことにしたのだ。

金のない俺達は普段は自炊するかファスト・フードだったが、
今夜は特別な日なのでレストランへ行くことにした。

そこはなかなかしゃれた店でトリオのバンド
が入っていてフュージョンを演奏していた。

これがなかな良いプレイをしている。

俺は店に入るなりそのバンドに耳を奪われた。

俺がじーっと見とれているとミックが


「ヘイアキ!あれ!」


と言っってウィンクした。

俺とミックは早速プレゼントを渡した。


「ハイど-ぞ」&「ありがとう」


をそそくさと終わらせ俺はバンドに夢中になっていた。

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