ワーホリ！メタルドラマーが国際結婚？

ものの５分だったがやはりサマーは少々怒り気味だった。

それとも


「ハイど－ぞ」＆「ありがとう」


をそそくさと終わらせた俺に怒っているのかもしれない。

いずれにしてもサマーだけムッとしていて
ミックとミキはイチャついていた。

これではマズイと思い、なにか面白い話
でもして気分を変えさせなくては。

しかし５分ぐらい考えたが、思いつかない。


「さぁーどうしよう・・・」


俺は焦り始め頭が痒くなり半ばやけくそになった。


「これでもくらえ！」


沈黙の中、俺は突然サマーに近ずき、くすぐり始めた！

するとサマーが

「ギャー」と言った後、すごい形相で
「ビタン！」と俺のほほをスラップした！

ゆったりとした雰囲気の店内は一瞬にして静まり返った。
ミックとミキも

「何しちゃってんのお前」

と言うような顔をしていた。
そりゃそうである！空気はまるで読めてなく、
なんの前戯も無くいきなりくすぐるとは全く安易だった。

この方法はよく父親が子供にやる手法だが
相手は大の大人、通用するはずがない。
今考えても、なぜそんな事を
してしまったのか自分でも理解に苦しむ。

俺の顔をスラップしたサマーはそのまま
店を飛び出し停車中のタクシーを拾って帰った。

ミックとミキも俺になんて声をかけたら
よいか分からずただ俺の肩を叩いた。

取り残された俺は穴があったら
入りたい気分で惨めだった。

しかしどうだろう？これがもし逆の立場で
俺が怒って店を飛び出す。

ここまでは良いがサマーはタクシー
を拾ってさっそうと帰れるが、

俺の場合、店を飛び出しメットを被って
メットのひもをちょうどいい長さにあわせて、

キーチェーンを開けてそのチェーンを
邪魔にならない所に巻きつけてやっと出発できる。

道中メット被った、ふて腐れた顔した野郎が
チャリを猛スピードで駆け抜ける。