ワーホリ！メタルドラマーが国際結婚？

次の日、寝不足で疲れていた俺は
仕事なんてやる気分ではなかった。

ミックともたいした会話も無く、
淡々と時間が過ぎていった。

食欲もなくなり、気が付けばランチも
取らずにただぼーっとしていた。

帰り際、黙って暗い表情をしていた俺にミックが


「OKアキ、もしサマーがNOと言ったら
また４人で住む事にしよう。」


と、言って俺の肩を叩いた。


「ホントかよ！」


俺は嬉しくなりミックを抱きかかえた。

ミックはやれやれと言うような顔をして、
もう一度俺の肩に手をやった。

これでひとまずサマーと別々に住むことは無くなった。

しかし俺とミックのリレーションシップの
事もあるのでサマーには伝えなくてはならない。

やっぱり別々に住むのは俺とミックの
為に良いことだし、潮時でもあった。


「よし今夜言うぞ！」


ミックの寛大な言葉に少し気が
楽になった俺はそう決心した。

いつも通り俺達はソファーに腰掛けていた。

俺はサマーにどうやって伝えたら良いか考えていた。

少し気が楽になったとはいえ、
ミックが言った「ミキを私から取らないで！」
と言う言葉が引っかかっていた。


「ほんとにそんな事言って
俺やミックに激怒したらどうしよう？」


サマーと出会ってまだ３ヶ月、
まだサマーの事は未知の部分も多く

どういう反応をするのか想像すらできなかった。

しばらくしてサマーの車が停車するのが聞こえた。

俺は特に良いアイデアを思いついたわけではなかったが、
すぐに出て行ってサマーに切り出した。