ワーホリ!メタルドラマーが国際結婚?
5分ほどするとミックがチャリを止めた。

ミックは


「どうだ凄いだろ~」


と言わんばかりの顔で


「ここだぜ!」


と言った。

俺は本当にここなのかと思った。

なぜならそこはサマーと俺の
フラットの前だったからだ。

厳密に言うと、俺達のフラットから
道を挟んだ前のフラットがミック達の
新しいフラットだったのだ。

俺達が引っ越した後、ミックとミキには
遊びに来いとは言ってあったが、
本人達は来なかったので、
ここが俺たちの新居とは知らなかったらしい。


「ウチのフラットそこだよ!」


俺は指を指すとミックは驚いた様子で
俺達のフラットを覗き込んだ。

俺とミックは嬉しさと驚きで
2人同時に叫んでしまった。


「スモール・ワールド!」


俺は俺達がお向かいさんになった確率よりも、

同時に


「スモール・ワールド!」


と、叫んでしまった確立の方がレアだと思った。

俺は恥ずかしさで赤ら顔になりながら
ミック達のフラットへ案内された。

中へ入るとミキがいて、俺達がお向かいさんに
なる事を説明するとミキも喜んでいた。


「最初からこうすれば良かったね!」


たしかにそうだ。別々に住むにしても
フラットは近くでも良かったのだ。

こうして俺達はお向かいさんになり、
おたがいに新しい生活を始めた。
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