ワーホリ!メタルドラマーが国際結婚?
ミックたちが帰るのを見届けると俺はサマーに
悪い事したと思ったのと同時に凄く嬉しかった。


「俺の事を心配するようになったのか・・・
どれどれ慰めてやるか」


俺は半分ニヤニヤしながら寝室のドアを開けた。

するとサマーは


「出て行って!もうツラも見たくない!」


「ツラ?」


ツラという言葉をどこで覚えたのか知らないが、
サマーは完全に顔とツラを間違えている。

しかしサマーは涙を流し、真剣に怒っている表情だった。

俺はその真剣な表情と裏腹に、
こらえ切れない笑いがこみ上げてきた。


「笑っちゃいけない。笑っちゃいけない。」


と思うとよけいに笑いがこみ上げてくる。

顔はなんとか眉をひそめ苦みばしったような
顔でごまかしたが、腹がヒクヒクいって止まらない。

しかもそんな真剣な顔で
「もうツラも見たくない!」はないだろ。


「誰か止めてくれ~」


笑いをこらえていたが、とうとう吹き出してしまった。


「ぷっぷっ」


するとサマーの顔は泣いていた顔から
突然はんにゃの様な顔になり


「おととい来やがれ!」


と、叫びながら俺をリビングへ
押しのけ、ふたたびドアを閉めた。

また凄いこと言った事に笑いが最高潮に達するのは
必至だったので、とりあえず便所に逃げ込んだ。

俺はサマーに聞こえないように思う存分笑い転げた。

なんといってもお人形さんみたいな顔で
江戸っ子口調で攻めてくるとは誰が予想できたか。


「しかし、おととい来やがれ!なんてどこで覚えたんだろう?」


その瞬間またあの顔を思い出し、笑ってしまった。

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