ワーホリ!メタルドラマーが国際結婚?
エピソード32:決断
その日の夜、俺はサマーに
これからの事を話すことにした。

しかしもしサマーが一緒に来てくれない
となると一人で日本に帰らなくてはならない。

また独り寂しく日本の生活に戻りたくない。

それどころか同棲ビザも取ることができず、
オーストラリアにいつ戻ってこれるか見当もつかない。

ケアンズに来て以来、やっと自分の居場所が
見つかったと思っていたのに・・・

できることならサマーと日本へ戻って
めでたく同棲ビザを取り、
またオーストラリアへ戻ってきたい。

もっといえばケアンズでビザを申請し、
このままオーストラリアに住み続けたい
というのが本心だ。

ケアンズで申請できればサマーだって
ケアンズにいるはずだし、同棲も続けられる。

しかし残念な事に6ヶ月には少し足りそうになかった。
ビザを申請するには日本へ行くしかなかった。

だから俺は決心したのだ。

仕事を辞め、バンドも辞め、ケアンズから
アデレードまでバスで残りのワーホリを楽しもうと。


「もう独りでもいいやっ!」


投げやりに考えたりもしたが、
やっぱり独りは寂しい。

以前は音楽だけでもよかったが、
4ヶ月近く同棲していると情が移ってしまっている。

投げやりとはいかない、慎重に考えて
サマーに話さなくてはならない。

いつもの様にサマーを寝かしつけるため
俺はララバイをしていた。

いつ切り出せばいいか考えていたので、
ララバイはいつもの雰囲気ではなかった。

それを察知してかサマーは突然


「明日ワーキング・ホリデーもう一度
取れるかチェックしてみる。」


「えっ?」


「どういうこと?」


ロンドンのためのワーホリか?

それとも一緒に東京に行くための
ワーホリなのか?

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