ワーホリ!メタルドラマーが国際結婚?
しかしサマーはその事にまったく
気が付かず、その男にとどめを刺そおと
その話のクライマックスのオチを話し始めた。

サマーはカエルのマネをしているのか
両人差し指を口を裂ける様にしオチを言った。

男は頬の筋肉が痙攣しようが最後の力を
振り絞って大きく笑ったが俺には
彼が不憫でならなかった。

俺は全編英語だったので意味は
判らなかったが、サマーにジョークの
センスが無いことはその男の
表情が物語っていた。

俺はサマーが笑わせようと話をし出すと
話題を変えてお茶を濁してきた。

しかしサマーがなにも考えずに突拍子もない
日本語を発する時は最高にオモシロイ。

それがオモシロイかどうかは
本人には判っていない。

当然である、それは日本語を
100%理解していないからだ。

理解していないにもかかわらず
間違いを恐れずただ話しまくる。

まるで言葉を覚え始めた子供の様だ。

生まれてこのかた女性に笑わされた
ことなど1度もなかった俺には
この世の中の女で俺を爆笑させられるのは
この女しかいないと思った。

それは後に日本へ帰ってから
本領を発揮することとなる。

今までサマーにジョークのセンスが無い
といってきたが1度だけオモシロイ
ジョークがあった。

それはサマーの両親と食事をした時だった。

テレビに今でも現役でやっている
年配の歌手が映っていた。


「大昔この人、大好きだったのよね・・・」

ジュリーが懐かしそうに言った。

母親のジュリーが若い時大好きだった
シンガーの名はトムジョーンズ。

その時代トムジョーンズといえば
ビートルズまでとは言わないが熱狂して
失神する女性ファンが大勢いたらしい。

そのファンはステージ上にいる彼に花束
やプレゼントを投げる者までいた。

あげくの果てに欲情したファンが
「私を抱いて!」とステージに上がり
抱きつく者や、ステージまで遠い者は
パンツを投げる者までいた。

< 167 / 241 >

この作品をシェア

pagetop