ワーホリ!メタルドラマーが国際結婚?
木でできた階段をミシミシいわせながら
上がっていくとお婆さんがいた。


「ハイ!アンティー・パム!」


サマーが笑顔でハグ
をするとパムお婆さんは

「あれっ、これがサマーなの」

というような顔をしていた。

2人とも何十年振りの再会のようだ。

俺もパムお婆さんにハグされ家の奥に入っ
ていくと猫がササッと走り抜けていった。

俺はまさかと思ったが、その猫は野良猫では
なく身なりの綺麗な猫だった。

しかし俺は猫アレルギーで小さい時に猫を
触った手で目を擦ると腫れあがり、近くに
いるだけでゼーゼーと喘息をおこしていた。

実際にはゼーゼーではなくピューピューと
誰かが口笛を吹いているようだった。

小さい時テレビで渡り鳥シリーズ
を見ていた時、小林旭が口笛を
吹くとドキッとしたものだ。

一番辛かった時は喘息で苦しがって
ピューピューいっている俺にお袋が


「夜、口笛吹くとお化けが出るよ!」


って言われた時だった。

俺は


「お化けなんてな~いさ♪
お化けなんてうっそさ♪」


と、リズムに合わせて反論したかったが
俺は苦しくて出来なかったのが悔しかった。

もしその当時、お袋に反論できていたら、
こうなっていたにちがいない。

マイケルジャクソンのバッドの様に
ミュージカル仕立で


「お化けなんてな~いさ♪
お化けなんてうっそさ♪」


と歌いながら、ダンサーをひきつれ、
指を鳴らしながらリズムを取り、
お袋に迫っていただろう。

お袋は意味がわからず、ダンサーを
ひきつれた俺に絶句し後ろへたじろぐ。


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