ワーホリ!メタルドラマーが国際結婚?
「どうしたんだい!喘息なのにこんなに
踊って大丈夫なのかい?」


それでも踊り続ける俺にお袋は


「ムーンウォークなんかして!
体に毒だよ!」


お袋が注意すればするほど
俺はマイケルになりきった。


「つま先だけで立つのはやめなさい!
危ないから!」


「やだよ~この子ったら!
踊りながら股間をつかんる~」

その瞬間、俺は首を左に勢いよく曲げ、
他のダンサーに合図を出した。

すると今まで騒がしく
「お化けなんてな~いさ♪」
で踊っていたダンサー達は
ピタッと踊りを止めた。

辺りは静まりかえり、俺やダンサー達の
汗がコンクリートにポタポタと
流れ落ちる音だけが聞こえた。

そしてダンサー達、
お袋が俺に注目している。

そこで俺はお袋に訴えかける。


「わかってくれ!あれは口笛
なんかじゃないんだ!」


「悪かった!お母さんが悪かった!」


と妄想してみたが、本当にこんなことを
したらお袋の口からは二度と口笛という
言葉は出なかったはずだ。

今となっては笑えるが当時は少し傷ついた。
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