ワーホリ!メタルドラマーが国際結婚?
しかしキツイ!特に「ユー・アー」の
「アー」の時がくせーのなんの・・・

どうして自分はいつもこうなってしまうのか?

最初は腹立たしかったが、どうしたものか?

5分10分とダイレクトに臭いを
嗅がされると逆に腹減ってきてしまった。


「俺、だいじょうぶかな?」


「病院行った方がいいかな?」


自分が怖くなってきた。


「あー臭い、あー臭い」と、
自分に言い聞かせるが腹は
「ぐぅぅぅぅ~」嘘をつけない。

何度も何度も「これは臭いんだ!」と、
自分に言い聞かせてもどうにもならない。

まるで青年が自分はゲイではないか?
と感じ始めた段階に似ている。

彼女を作り「ぼくは女が好きなんだ!」と、
自分に言い聞かせてもどうにもならない。


「もう、どうにでもなれ!」


やけになった俺は、この人達がなにを
食べたのか真剣に当てようとしていた。


「うん、このスパイシーな香り・・・

おやっ、バジルも入ってるな?・・・

いやっ、ローズマリーにちがいない!」


「(臭いを嗅ぐ音)・・・・・
でたな赤ワイン!やるねー!」


そこへ左隣の人がエキサイト
しながら話し始めた。
するとすごい勢いでガーリックの
香ばしい香りがしてきた。


「(鼻で大きく深呼吸)
あ゛~腹減ってきた・・・
うん、待てよ・・・
トマトも入ってるな・・・」


「このトマトとガーリックの
ハーモニーがたまらんなー・・・」


その時、両隣の人達が意見を交わし合い、
口論に発展するのかと思われた。

すると右隣からの香り、左隣からの香りが
見事に融合し中間地点にいる俺の元へ
サルサの香りが立ち込めてきた。


「今夜はメキシカンで決まり!」
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