ワーホリ!メタルドラマーが国際結婚?
灯台下暗しと言うべきなのか?

これだけでも一人で
海外に出た甲斐があった。

自分がいかに恵まれているか?

それを知る為にも一人で海外で
暮らすことは有意義なことだろう。

そして海外生活を終え日本に帰ってくれば、
きっと日本の事がもっと好きになり、
充実した生活が送れることだろう。

バスはバスターミナルへ入っていった。

バスターミナルといっても
他の場所とは桁違いの大きさだった。

バスを降り、荷物を受け取るとサマーが
公衆電話からどこかへ電話をかけていた。

実は前日の夜にサマーが
また親戚の家に泊まりたいと言い出した。

俺はちょっと躊躇したが、退屈だったら
1人で街に出てCD屋巡りでもすれば
退屈しないだろうと思いOKを出した。

親戚とはサマーのお母さんの年の離れた妹。

そして彼氏も同居しているらしい。

年齢は俺たちに比較的近く、
彼氏にいたっては俺と同い年らしい。

サマーが電話を切ると、
少ししょんぼりした表情をしていた。

話を聞いてみると、こういうことだった。

相手が電話に出ると「久しぶり!」
と軽く挨拶をし、その後
「どこのホテルに泊まるの?」
と聞かれたらしい。

サマーはすかさず「きみ達のウチだよ」と、
即答したらしい。

俺はサマーに「よくそんなこと言えるな?」
と言ったが、彼らもケアンズに来る時は
必ずサマーの実家に泊まるという。

それを聞いて俺は納得したが、サマーは
「なにかマズイのかな?」というような
顔をし、しょんぼりしていた。


「何かあったらバックパッカー
探せばいいよ!」


俺は気休めにサマーの肩を叩いた。

俺は正直、バックパッカーに泊まり
たかったが、これからシドニー、
メルボルンで金を使うはずなので、
少しは節約しなければならない。

とは言っても、居心地の
悪い所には滞在したくはない。

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