ワーホリ!メタルドラマーが国際結婚?
「やばいっ」


俺はすぐにやさしい口調に変え


「なにも泣いた後、ババロア食べちゃ
いけないという法律はないけど・・・」


「ちゃんと話そうぜババロアの前に」


ブリスベンでこんなに「ババロア」
を連呼した日本人は俺、ただ一人だろう。

結局ババロアのせいでまともに
話ができず家路に着いた。

後でわかったことだが、
サマーは自分がしたことより
自分が怒られたことで泣いていたらしい。

その後、結局サマーから発した言葉は
「ごめんね」ではなく
「もう怒らないでね」だった。


「まったく、お嬢様育ちは・・・」


そして喫茶店での俺の発言はほとんど
意味がわからなかったらしい。

というのも「ババロア」は英語ではなく
和製英語で、サマーには


「ババア?」


「ババアをなんでそんなに怒っているの?」


くらいにしか理解できなかったみたいだ。
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