ワーホリ!メタルドラマーが国際結婚?
「この右手はいつになったら休めるんだ?」


「左右にスナップ利き過ぎて痛いぞー」


まったく空気の読めないバスだ。

手を振りはじめたら、さっそうと出発して
もらわなくちゃ困るな・・・

それに短時間であれば手を振りながら
相手を直視できるのだが、こう長く
停まっていると目線をどこにやって
いいのかわからない。

目をそらせば失礼にあたるし・・・


「おっと、動きだした!」


マラソンでいえばラストスパートの
ダッシュの様に狂った様に手を振った。

バスは角を曲がりファーガス達
が見えなくなった。


「ふぅー」


その激しい運動があってかウォークマン
を聞いているとすぐに眠りに着いた。

バスは夜行便ということもあって電気は
薄暗く寝るにはもってこいだった。

夜中に一度ウォークマンをとめるため
起きたが、とうとうシドニーまで
起きずに着いてしまった。

こんな爽快な朝はない!

しかしバスから降りるとひんやりと
冷たい風が吹いた。

今は9月の上旬でシドニーは
春なのに朝はまだ寒い。


「ここがシドニーか!」


寒さを忘れバスターミナルから
インフォメーションセンターへ向かった。

するとバスターミナルは日陰だったので
気が付かなかったが
インフォメーションセンターまでの道のり、
日に当たると暖かく、
すがすがしい天気だった。

インフォメーションセンターで最初に紹介
してもらった宿はキングスクロス
というエリアだった。

今まで払っていた金額では
良い物件なかった。

仕方がなかったのでそこに決めたが、
サマーは不満そうだった。

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