ワーホリ!メタルドラマーが国際結婚?
エピソード56:山手線
そんなことを考えていたら電車のドアが
閉まり動き始めた。

走り出してから気が付いたことだが、この
電車には「ガタン・ゴトン」が無いのだ。

つまり宙を舞うように走っているようで
とてもスムーズなのだ。

「ガタン・ゴトン」のビートにのって
ウトウトするのもいいが、
このスムーズさも良い。

周りを見渡しても人が少ないせいか
リラックスできる。

いやっ、それだけではない、
まずイスが違う。

別に豪華なイスというわけではなく、
長距離列車のように横に並んでいるのだ。

友人3人以上で乗り込んだ場合イスを
向かい合わせにもできる代物だ。

やっぱりこういうイスの方が
リラックスできる。

なぜかと言うと、例えば山手線のイスだと
知らない人と向かい合って座る事になる。

目のやり場に困った俺はどうでもいい広告
を「へ~」というような顔をして見つめる。

広告の位置は顔の高さよりも遥か上に
あるため、目の痛さを超えて
頭が痛くなってくる。

さもなくば

「寝たフリ攻撃」

しか選択の道はない。

今度、電車に乗った時に居眠りしている
サラリーマンをよ~く見てみなさい、
ほとんどの人は薄目を開けて寝ていない
様子がうかがえるから。

考えてみたら気まずくなるシーンは
イスに座った時だけではない。

ドアの近くに立っている時も
用心しなければならない。

特に夜は・・・

電車に乗り込みドアの近くに立ち、
窓から外を眺めている。

辺りはすっかり真っ暗だが、駅や駅の
周辺にはまだ街の灯りがあり、明るい。


「ヨドバシまだやってるな・・・」


と、窓越しに外を眺めている。

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