ワーホリ!メタルドラマーが国際結婚?
「好っきやねん、おまえのアセモ!」

「・・・・・」

俺は口をあけ、あ然とした。


「おまえ?あせも?」

「おまえ」はともかく、俺のあせもが好きとはどういうことだ?しかも関西弁で。

そんなに俺のあせもがセクシーなのか?

このあせもで女はイチコロだとは夢にも思っていなかった。

どこで覚えたかは知らないが、本当にあせもの意味をわかっているのか?

いやっ、この際どうでもいい。褒めてもらったからにはこちらも褒め返すのがオ
ーストラリア流。

さて、寝起きのサマーのどこを褒めようか・・・

うん、そうだな・・・グリーンの瞳に添えられた目ヤニ!う~ん、それはいささか・・・

そうだ、褒める所がない時はこれが一番だ!

そして俺はサマーの頬を撫でなから、こう言った。


「いやー今日はまた随分とセクシーだねー・・・・・この角質層!」

サマーは一瞬、「カ・ク・シ・ツ・ソ・ウ?」という顔をした。

俺はサマーがまだ角質層という言葉を知らない事をいいことに、もっとからかってみた。


「こんなセクシーな角質層を始めて見たぜ!」

しかしサマーは角質層という肝心な単語よりもセクシーという言葉に満面の笑みだった。


「ヤッホー」


「こいつ本当に喜んでいる!」

俺は笑いをこらえながら、心の中でつぶやいていた。


「どう考えてもこの世にセクシーな角質層があるわけねーだろ!」

でも楽しいのでもう少しからかってみた。

俺はもう一度、サマーの頬を撫でながら言った。


「あれっ、なにこれっ、このホットなケラチン!」

俺は真剣な顔をし、迫るように言った。


「ねっ、ねっ、どうやったらこんなホットなケラチンが生成できるわけ?」

サマーはハニカミ、うつむきかげんに言った。


「なんだかよく分からないけどhappy!」

そして俺は


「よく分からなくていいんだよ。」

と言った。
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