ワーホリ!メタルドラマーが国際結婚?
10分も走ると街が見えてきた。

広場の噴水に落ちたチビッコのように汗でびしょびしょになった。

俺のセクシーなあせもも汗で餌付けされ、繁殖するのは必至だった。


「子供の時お母さんによく付けてもらった白いパウダー売ってねーかな?」


とバカなことを考えていた。


「暑い!どこか日陰はないか?」


ショッピングセンターが見えたので行ってみた。

「ピア・マーケット」というショッピングセンターで
近くには船乗り場がありバーやカフェなどがあった。

中に入るとギターとピアノのデュオがプレイしていた。

美しいアコースティックギターの音色とピアノの静かな音色のケミストリーが抜群だった。


「昼から生演奏が聞けるとはね・・・小岩のポポとは大違いだな・・・」


なぜか贅沢な気分だった。

しばらく見入っていると演奏が終わったので中を一通り見て回った。

気が付くと2時を回るぐらいだったので昼飯でも食いに外に出た。

エスプラネードというストリートが街の一番端にあり、
ストリートの前にはこれから人工的にビーチを造る様子だった。

そのストリートには流行っている店が並びケアンズで一番賑やかだった。

そこをテクテク、チャリを引いていると一軒の店からブレットが出てきた。


「Hey アキ!」


「Hi ブレット!」


その店は「カニーズ」という蟹専門のレストランだった。

ブレットはここでバイトしていて、これからランチに行くという。

俺は話すにも言葉が出ず、それを察知したブレットは「大丈夫だから」と言うような顔をして行った。


「See You Tonight アキ!」


「See, See Ya・・・」


チャリで走りながら街を見ていたら、いよいよ本格的に腹が減ってきた。

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