ワーホリ！メタルドラマーが国際結婚？

エピソード１０：ゴングショー

昼間はチャリでブラブラし、
夜はバーへバンドを見に行った。

こういう日が１週間くらいつづき、
バーへ出かけるのも飽きてきた頃。

「ジョノス・ブルース・バー」でいつもの様にバンドを見ていると、
今日は日曜日ということで
「ゴングショー」がやっていた。

「ゴングショー」といと、昔オールナイト・フジでやっていた
「ゴングショー」を思い出し、てっきり奇人変人が出てくるのかと思った。

しかしここでの「ゴングショー」は「ジョノス」に
飲みに来ている客が飛び入りでジョノのバンドで歌を歌ったり、
楽器をプレイしたりできるのだ。そしてそれを審査するのも客なのだ。

まず客から３人ジャッジを選ぶ、
そしてプレイする客の中で一番点数が良かった客は
ビール１ケース獲得できると言うものだった。

その日は一人で歌を披露する者やギター、
ドラムまでプレイするものまでいた。


「なんで？こいつプロじゃないの？」


ギターやドラムはやはり素人っぽさが出ていたが、
歌は日本のプロより上手い者までいた。

次に登場したのが、なんと以前ここで見た
７０代の老夫婦が登場してきたのだ！

彼らが登場するやいなや、大歓声が起こった。

ばあさんが歌を歌い始めるとじいさんは車椅子のまま隣で盛り上げている。

すると間奏の部分でいきなりばあさんはじいさんのかつらを持ち上げた。

客は大盛り上がりで物凄い歓声だ！

ジャッジ３人の判定ももちろんいい得点だ。


「ビールはばあさん達だな・・・」


これでもう終わりかと思いきや、
オーディエンスの中から日本人５人が登場してきた。

バンドでプレイするらしくスタンバイまでちょっと時間が掛かった。


「ケアンズでプレイする日本人なんかいるんだ・・・しかもバンドで・・・」


俺はちょっとジェラシーを感じた。


「たいしたことねーだろっ」


ますますジェラシーを感じた。

スタンバイが終わり演奏が始まった。


「ストーンズか・・・」


ちょっと期待はずれだと思っていると
オーディエンスからすごい歓声が聞こえてきた。