ワーホリ!メタルドラマーが国際結婚?
「どんな仕事なんですか?」


「ストーレイジの仕事なんだけど・・・」


良く話を聞いてみると倉庫で値段を貼ったりする裏方の仕事みたいだ。

店で客を相手にすることはないので長髪でも大丈夫ということだった。


「17才のオージーと働くから英語も覚えるし・・・結構面白いヤツだから・・・」


「そうですか・・・」


「仕事すれば知り合いも増えるし、ブラブラしないで済むぞ。」


「でもバンド続けられますかね?」


「土日は休みにしてもらうから大丈夫!」


ノリさんが色々心配してくれて、俺に合う条件のいい仕事を探してくれたのに、
断るなんてできなかった。


「わかりました。よろしくお願いします。」


「OK、じゃー話しておくから。」


当初の予定ではドラムで稼ぐことしか考えていなかったが、

これも何かの縁だと思いバイトすることにした。

しかしこの事が俺の人生を変える事とはこの時は気が付かなかった。


「ケアンズは小さい街だから仕事していれば知り合いがどんどん増えていくから良い所だよ。

日本人もオージーもみんなフレンドリーだし・・・

空気もきれいだし・・・

ビーチもあるし・・・

アウトドアスポーツなんて・・・」


ノリさんは今の生活に満足しているみたいで熱く語っていた。


「結婚して、子供が出来てケアンズに滞在・・・いいなー」


俺は凄く羨ましかった。


「日本だけじゃないんだよな世界は。」


いかに自分の視野が狭かった事に気が付いた。

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