ワーホリ!メタルドラマーが国際結婚?
久しぶりに日本語で会話できることに俺は嬉しくなり、
なんでもかんでも話しまくってしまった。

気が付くとミックは輪に入れない事に不機嫌な様子だった。

9歳年上のミキがそれを察知してソファーでミックに
ひざまくらをしてあげながら俺と会話していた。

ミックはミックでひざまくらをしてもらいながら
映りの悪いテレビをしかめっツラで見ていた。

30分も話をしているとミキが突然


「オージーの女の子に興味ある?」


突然の事にビックリしたが、すかさず「あるねー」と答えた。

もちろん金髪は大いに興味があった。

”金髪のシンガー”と付き合うことが俺の一つの夢だった。

中学の頃はよくマドンナをテレビで見ると


「耳元でウィスパーしながらララバイなんか歌ってもらいたいなー」


と思ったものだ。


「この子なんだけど・・・」


ミキがアルバムの写真を差し出し指を指した。


「へぇー」


俺はなんとも答えようがない感じがした。


「ブスじゃないんだけど・・・」


要するに俺のタイプじゃないのだ。

アルバムに所々彼女の写真があり、それを見ながら


「この写真は悪くないな・・・」


しかしこの女をどうこうしたいとは思わなかった。

ミキはこの女との出会いを語り始め、俺は写真を見ながら耳を傾けた。

実はミキは一人でケアンズに来たわけではなく、エリという友達と一緒に来たのだった。

そのエリの家に一年前その女がホームステイしていたらしく
山中湖ではよく三人でつるんでいたらしい。

その女はワーホリの期限一年が過ぎ、先にケアンズに帰り、
その一ヵ月後、今度はミキとエリがワーホリでケアンズに来たという。

最初は3人でここに住んでいたが一週間もしない内に
エリは勝手にどこかへ引っ越し、今はミキとその女2人で住んでいた。


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