ワーホリ!メタルドラマーが国際結婚?
「日本語ペラペラなんだよ!」


「へぇー」


そんな事はどうでもよく、その時の俺は


「他に友達いないの?」


と聞きたいぐらいだった。

するとミキが


「あっサマー帰ってきたかな?」


ブーンとふかした後エンジンが止まる音が聞こえた。


「サマーおかえり!」


「ただいま!」


その女は日本語でそう言うと


「この人は?」というような顔でミキを見た。


「ミックと一緒に働いているアキ。」


ミキが俺を紹介すると物凄い笑顔で


「サマーです。」と答えた。


「あれ?写真と全然ちがうな・・・」


「そうとう写真写り悪いんだな・・・」


サマーは仕事から帰ってきたらしく、顔には薄っすらと汗が光っていた。

ピチピチのTシャツにジーンズの半ズボン。

肩まで伸ばしたブロンドヘアー。

どことなく若い時のメグ・ライアンに似ている。

なによりも驚いたのが顔がビックリするほど小さかった。


「なかなかじゃん!」


徐々に気持ちが移り変わり始めた。

俺はサマーが現れた事により、
おしゃべりな主婦が旦那の上司と会話をするかの様におしとやかに振舞った。

そして少し会話を控え、初めてまじまじと見るお人形さんの様なサマーを見つめていた。


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