ワーホリ!メタルドラマーが国際結婚?
「サマーにロブ。ケアンズには日本語話せるヤツが多いな・・・」


「カモン・イン!」


ロブが俺達を中へ入れると奥にもう一人女がいた。


「ハイ・ミキちゃん、サマー!」


そのやさしい口調の女も流暢な日本語を話した。

ロブは俺達への態度とは違い、その女には淡白な態度だった。

雰囲気的にロブの彼女と分かった。


「ナイス・トゥー・ミート・ユー」


俺が挨拶するとその女は


「はじめまして。」


よく見るとその女は日本人だった。

彼女の名はティナ。

俺には日本人なのになぜティナなのか理解できなかったが、その風貌を見て納得した。

日本人にはあまり似合わない派手でキワドいファッションをし,
髪はブロンドに染め、目にはカラーコンタクトまで入れていた。


「私、日本人やめました!」と言わんばかりだった。


しかし俺には不自然にしか見えず、ブロンドというよりは錆びた色で、
染めた髪の内側や毛の根元は真っ黒だった。

まるでスウェット姿で外出してしまうヤンキー風の女や
子育てに疲れたヤンママの様なヘアースタイルだった。

ましてやカラーコンタクトなんぞ寒気がした。

ミックが担いできたVBをみんなに配り、ロブたちが用意したピザや
山盛りのチップス(ポテト)を俺はVBで流し込んだ。

そこではやはり英語と日本語が交じり合った会話が聞こえる。


「ハッハッハッ」


ミックとロブは二人で盛り上がっていた。

残るサマーを含めた女性陣は当たり障りのない会話を日本語でしていた。


「サマーは日本語どれぐらい分かるのかな?」


サマーに興味があった俺は「自分をアピールしなくては」と思い積極的に話した。


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