ワーホリ!メタルドラマーが国際結婚?
エピソード3:15年前の夏、東京
今の俺は音楽が第一で女は二の次、実際俺はドラマーでバンドもやっている。

好きな言葉は「NO MUSIC NO LIFE」タワーレコードの宣伝文句だ。

もちろん女は好きだが、今まで一度も信用できる女に出会ったことが無く、
人間不信になりかけているから,女は二の次と自分で勝手に決めているのだ。


では何故、音楽が俺の人生で第一かというと女に振られた時、
ステレオのスウィッチをオンにすれば音楽は俺の頭をナデナデしながら俺を癒してくれる。

女は裏切るが音楽は裏切らない!楽しい時、悲しい時、ナーバスな時、
そのつど俺にパワーをくれる。


そしてもうひとつ。思い出だ。

例えばレストランに入ったときに十年前によく聞いていたマドンナの曲が流れる。

いっきに当時よくマドンナにお世話になっていた思い出が甦る。

俺の中学時代のダチもそうだろう。

カルチャークラブの曲を聴くとボーイジョージに,

よくお世話になっていた苦い思い出が甦るはずだ。


そんな音楽一筋の俺の所に、俺の人生が180度変わる話が舞い込んできた。

排気ガスと汗のにおい、クタクタになって仕事から帰ってきた俺にオヤジが


「今度みんなでオーストラリアに行くから十万貯めろ!」


話をよく聞くと、親戚の姉が昼間尋ねてきて,

今度オーストラリアで結婚式をやるので来てくれと言う事だった。

親戚の姉夫婦は当時オーストラリアのケアンズに住んでいた。


「ケアンズ?どうゆう所なんだろう?」


想像もつかなかった。

オーストラリアというと自然や動物が多くワニの肉を食うことぐらいしか知らなかった。


「コアラも食うのかなあ?」


とにかく海外なら何処でもよかった、日本からエスケープしたかった。

女や友達とのリレーションシップ、バイトでの人間関係、バンドメンバーの裏切り・・・

23歳といえば社会に出て5年、人間関係で疲れ始める時期である。

勿論そうでないヤツもいると思うが、自分や自分のダチなんかは最近よく口癖のように

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