ワーホリ!メタルドラマーが国際結婚?
こんなうまいもの俺には全く理解できなかったが、

次の瞬間、ジュリーはそれをゴミ箱に捨てていた。


「勿体ねーな!」


ラップかなにかして取っておけばいいのに、
なんの躊躇もなしに捨てるとは???

全く理解できなかった。

サマーはソファーで寝入ってしまい
テーブルには俺とミキそしてジュリーと子供達だけだった。

お互い何を話していいかわからず沈黙が続いた。

俺はジュリーが子供達と遊んでいる姿をただ見ていた。

しばらくしてサマーが起きてきた。

ジュリーはサマーに


「疲れているの?」


「仕事はどうだった?」


いつも通りの親子の会話をしているように見えたが、
サマーはティーンエイジャーの様にジュリーにきつく当たっていた。

ジュリーはちょっと引き攣った顔になり、
いやな雰囲気になったので俺はすかさず


「クール・ダウン!クール・ダウン!」


といってサマーを落ち着かせようとした。

しかしジュリーもサマーも


「なに言っちゃってんの?ちぃみ」


というような顔をしていた。

実は「クール・ダウン」ではなく
「カーム・ダウン」と言わなければいけなかったのだ。

後で気が付いたことだったのでその時はなんの恥じらいも無く
「クール・ダウン」と言い切ってしまった。

しかしそんな失敗はいくらでもしているだろうから
気にせず子供の様にドンドン話せばいいのだ。


「しかしサマーはお母さんに対してキツイな・・・」


と思ったが俺の方がお袋に対してもっと言っているにちがいない。


「そろそろ帰ろうか」


サマーがその悪い雰囲気から逃れたいのか、少し強引に言った。

俺達はジュリーと子供たちに挨拶をし車に乗り込んだ。

< 89 / 241 >

この作品をシェア

pagetop