ワーホリ!メタルドラマーが国際結婚?
サマーは車中ずっと何かを考えて黙っていた。

後でミキに聞いたが、サマーは家族を愛しているが、
こういう自分がいやで前々から実家を出たがっていたらしく、
ちょうどミキ達が来たので家を出たということだった。

その夜はあまり良い雰囲気ではなかったが、
サマーの家族は優しそうだったので安心した。

しかし自分の英語力の無さを痛感した。


「もっと会話ができたら楽しかっただろうな・・・」


オージーは相手があまり英語が話せなくても、
余計な気を使わず話してきてくれる。

もし自分が逆の立場だったら


「どうせ日本語話せないからな・・・」


と、あまり外国人と会話しないかもしれない。

今思えば失礼な話である。

日本に来ている外国人は話せなくても日本語が話したいはずだ。

次に自分が日本へ帰ったらヘンな気を使わず
ドンドン話してあげようと思う。

車が止まりサマー達のフラットへ着いた。

すでに夜10時を超えており、俺はヘコンデルタで
自分の家に帰ろうとした時だった。


「もう遅いから泊まっていけば?」


「本当?」


機嫌が直ったのかサマーが優しい言葉をかけてくれた。

それと同時に高鳴る期待がこみ上げてきた。


「俺をどうするつもり?」


いやっ、ただ単に親切で言っているかもしれない。


「そのソファーで寝て」


と言われるかもしれない。

頭の中で期待とそれを制御しようと格闘している。

中に入るとミックがミキの帰りを待ちわびていたのか、
野獣の様にミキに飛び掛った。

実はミックは自分のフラットがあるにもかかわらず、
ミキの部屋に寝泊りしている。

2人はソファーでイチャイチャし始めた。


「部屋でやれよ!」


サマーはサマーでシャワーを浴び始めた。

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