主と執事
私の仕事
(タカハラ アキト)


 それが彼の名前だった。


「お前、今何歳だ?」


「16歳です」


「俺より年下か。学校は?」


「行ってません」


「……そうか」


 なんだろう?この人
さっきから人のこと聞いて


「なんですか?」


「なにが?」


「さっきから人のこと聞いて?」


 私は思ったことを口にした。


「じゃあ俺ことを教えてやる」


「へ?」


「俺は18で通信制の高校に、
月3回くらい学校に行ってあとは
家で勉強してる」


「そうなんですか」


 彼は一方的にしゃべりかけてきた。
私も別に嫌ではなかった。
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