ホスピタル
灰皿を持って
梨磨の部屋に返しにきた。
事故の日から
何1つ変わらない梨磨の部屋。
机の上の読んだまんまの
ささちゃんからの手紙も
適当にほかってある
梨磨の服も
何1つ変わっていない
あの日のまんまだよ。
時が止まった梨磨の部屋。
机に飾ってある
幹也と梨磨の2人の笑顔。
本当に幸せそうなのに、
何で今は笑っていないの。
幹也は笑わなくなったよ。
私には喋ってくれなくなったよ。
梨磨を失いかけて、
幹也は変わってしまったよ。
こんな写真みたいに、
無邪気に笑う幹也は
もう居ないんだよ。
梨磨が起きなきゃ
幹也はもう笑わないよ。
梨磨が居なきゃ
私とは喋ってもくれない。
梨磨が居たから、
私達幼なじみは
つながっていたんだね。
こんな笑顔見たくない。
こんな写真見たくない。
梨磨が居なきゃ
見せてくれない
こんな幸せな笑顔
私はいらないよ。
見たくない見たくない見たくない
私は2人の笑顔から逃げた。