ホスピタル
別れ
それは突然だった。
「梨愛、梨磨ー。幹也君の家行くよー」
「あれー?今日お母さんお仕事の日ー?」
「違うわよ。今日はね、幹也君のままが、ちょっとお家に来てって言ってるの」
「そうなのー?」
「うん。じゃあ行こうか」
その日は本当に突然だった。
あの出会いから2年と少し。
私と梨磨はもう
6歳になっていた。
「梨磨ー?早く行くよー?どうしたの?」
「ママー!!ピンクのふりふりしたやつはー?」
「ピンクのふりふりー?ワンピース?」
「そうですー!!あれ着ていきたいの!」
「もうワンピース着てるじゃない」
「違うのー。あれがいーいー!ピンクのふりふりじゃなきゃいやー」
「はいはい。わかったから。梨愛は着たいお洋服ある?」
「ううん。これでいい」
「そう?じゃあ梨磨着替えたらすぐ行くからね。待ってて」
梨磨は着替えると、
すごくご機嫌に外に出ていった。
今日の呼び出しが、
まさかあんな報告だなんて私もお母さんも梨磨も
みんなみんな知らなかった。