ホスピタル





幹也とおばさんが
ドイツへ旅立ったのは
これから1週間後。



涙が止まらなくて
すごくすごく悲しくて
私も一緒に行きたくなった。


だけど最後は笑った。



笑ってまたねって言った。


子供ながらに
ばいばいは言いたくなかった。


ばいばいはお別れの言葉な気がしていた。


みーくんとはまた会える。


そう自分に言い聞かせて
笑ってまたねって言った。



最後に撮った写真は私の宝物。




自分の部屋の1番よく見えるところに飾った。



寂しくなったら写真を見た。


隣に幹也がいた事を思い出した。




そしてまた隠れて泣いた。



そんな日がずっと続いた。




これが幹也との初めての別れ。




心にはずっと幹也がいた。


離れてもずっと。



私の初恋は大きかった。




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