ホスピタル




「梨愛はさー!好きな子いないのー?」





いるよ。
みーくん。



梨磨と一緒のみーくん。





決して口に出来ないけど。


私の好きな人はみーくんだよ。




心の中でずっと叫んでても


口から出るのは
気持ちを隠す嘘の言葉。




「いないよー」




「そっかー!!出来たら教えてね!梨磨も応援するよー」



「うん。わかった」




「絶対ね!絶対だよー」




無邪気な梨磨が
私はただ羨ましかった。



素直な梨磨になりたかった。




私だってね、
梨磨に相談とかしたかったよ。




ただ普通に恋バナとか
私はしてみたかった。


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