ホスピタル
─ピンポーン─
あたしの嫌な思考を
止めるように、
部屋中にインターホンが
突然鳴り響いた。
「私がでるよ」
私はただ、少しだけ、
少なくとも今だけは、
梨磨の前から離れたかった。
インターホンに映る
ドアの前にいる人。
それは私達の
愛しい愛しい人。
さっきの噂の張本人。
─────ガチャ。
「みーくん」
「あっ!あーちゃん!」
「どうしたのー?」
───あたしは今、笑えていますか?
「あのねあのね!お母さんいなくて暇だったから遊びに来たの!遊ぼう?」
「いいよー!!」
にこにこするみーくんが
とてもとても可愛かった。
「わあーい!おじゃましまーす」
「あれ?みーくん!!」
「まーちゃんだー!遊びに来たよー!!」
「わあーい!遊ぼ遊ぼ!!」
嬉しそうだな、梨磨。
幸せそうだなー。
「あっ!!梨磨!私本屋行ってくるねー」
「えー?あーちゃん本屋行くの?じゃあ俺も一緒行くよー?」
「そうだよ梨愛ー!3人で行こう?1人は寂しいでしょ?」
ごめん、梨磨。
今は2人を見たくないよ。
「大丈夫だよー。梨磨と違って私寂しんぼじゃないもん!すぐそこだし1人で大丈夫だよ!」
「本当にー?」
「うん!本当!2人は楽しく遊んでてー?」
「うーん。じゃあわかったよー」
2人共煮え切らないような顔をしていたが、私は押し切って家を出た。