ホスピタル

くだらない同級生




梨磨の初恋を知ってから
私は少しだけみーくんと距離をおいた。



みーくんは気付かない。


梨磨も気付かない。


それぐらい、ほんの少し。


私達はいつものように3人で登校していた。


「あー!今日先生が算数テストやるって言ってたー」


「まーちゃん頑張って!」


「嫌だねー。テスト」


「あーちゃん頑張って!」


必死にガッツポーズして
応援してくれるみーくんが少し可笑しかった。



変わらない朝。

変わらない3人。

仲良しの3人。



ただ私は
胸にしこりが残っていたけど。



「じゃあみーくんばいばーい!」


「ばいばいみーくん」


「まーちゃんあーちゃんばいばい!!」



いつものように、3階の階段で別れる。



私達4年生は3階。
みーくんの5年生は4階。



────ガラララ。



「おはよう」

「おはよーう」

「おはよー」

「おはよ」


教室に響き渡る挨拶。



挨拶だけをして私も梨磨も席につく。


私と梨磨は同じクラス。

だから学校でも毎日一緒だった。


私と梨磨は挨拶を交わして
少し話すぐらいの友達はいても
一緒にいるような友達はいなかった。



でも私も梨磨も
お互いがいれば
それでよかった。



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