ホスピタル
またエレベーターに乗ってまた同じような廊下を歩く。
次は902号室。
ふーっ
一息深呼吸して
めったにしない
緊張とゆうものをする。
ここは、私の愛する人の部屋。
ガラガラガラ
「幹也」
「......」
上半身を起こして
ベッドに腰掛けてる男。
喋れるのに、
私に返してくれる言葉はない。
「今ね、梨磨の病室行ってきたよ。また今日もささちゃん来てくれてた」
「.....」
何の反応も返してくれない。
窓ばかりを見つめる彼。
「ねえ幹也...。好きだよ..」
「...。だめだお前だけはだめだ。俺には愛する女がいる」
この言葉にだけは反応をくれる。
残酷な言葉だけを私にくれる。
そんな言葉だけを私に残す。