ホスピタル



それでもやっぱり全部は飲めそうにない。



ココアを冷蔵庫にいれて、あらかじめ入ってた水を飲んだ。




甘い味が消えていく。



私から幹也が消えていく。



切なくなって、悲しくなって。



それを忘れるかのように
思いっきり水を飲んだ。




「ねえウチ八木先輩に会いたいんだけど!!」


「八木?あー龍也ね」


「愛も会いたいしー!八木先輩イケメンじゃん!!」


「はっ?駄目だしー!八木先輩はウチがおとすの!!」



「あーそっか。里美、龍也好きやんな(笑)」



「でも八木先輩ウチの事妹だって言うんだもん」



「あーもうわかった!また誘っとくわ」



「やーりいっ!楽しみすぎるー」



「ってか思ったんだけど!何でお前ら龍也の事はちゃんと先輩付けるのに俺らの事は呼び捨てとかねーだろまじ!」



「はっ?だってあんたらはツレじゃん」



「まあツレだから許すけど!」




私が抜けた輪のなかは
私の知らない話で盛り上がっていた。



「梨愛」



床にいた目線を
上に上げると
私の方に歩いてくる
拓也がいた。



「どしたの?トイレとか?」



「ちげーよ!あいつらの話にはついていけん」



あー話に参加してなかったもんね。


盛り上がっている場所から、拓也の声だけは聞こえなかったよ。




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