ホスピタル



コンビニに行く道で喋ってくれた、寂しい顔が気になった。


その言葉は本当に素直に嬉しかったんだ。



だけどね、
私の笑顔を否定するのはやめてよ。



私は笑うしかないの。


笑う事しかできないの。



笑っていなかったら私は生きていけないよ?


人は生きていけないよ?



「ねえ愛、私も混ぜてー」


とびっきりの笑顔で言ってやった。



拓也に見せ付けるように。


私は愛達の輪に入った。



拓也から、逃げた。



「梨愛〜!おいで。愛の隣座んな!!」



「うんっ!」



「梨愛ちゃ〜ん!助けてー。こいつら俺らが先輩って事忘れてやがる!」


「そうだそうだー!」


「はー?お前らの事先輩とか思った事ねえし!」


「隼人は隼人。悟は悟じゃん!拓也は拓也だし」



みんな言いたい放題(笑)



拓也は悲しそうに
私が元居た場所で
立ち尽くしていた。



「てか梨愛ちゃんさ!何でモテんのに誰とも付き合わねえの?」



その質問きたか。


隼人君直球すぎる。



あのね、隼人君。
私には幹也しかいないからだよ。


「うーん。彼氏とかにそこまで興味がないからかな」

幹也しか愛せないからだよ。



愛してる人が、いるからだよ。



「もったいねーの!まあそこがまた硬派で男共から人気高いんだけどね!」



ごめんなさい、また嘘を付いて。



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